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病気のおはなし

犬のニキビダニ(毛包虫)症のおはなし

犬のニキビダニは生後2-3日で母犬から感染するといわれており犬の皮膚に常在しているダニと言われています。成犬同士で感染し合う事や猫や人に感染することはないと言われていますが感染経路がまだはっきりしていない新種のニキビダニの報告もあります。ほとんどの場合はニキビダニを持っていても皮膚疾患が発生することがありませんが免疫力の低下などの原因で突然発症することがあります。局所的に発生するものと全身に発生するものに分かれます。
病変部の皮膚を削って顕微鏡でニキビダニの確認をすることで診断します。

1、局所性毛包虫症

1)特徴・症状

3-6ヵ月の子犬に多い 赤みや色素沈着、フケを伴う脱毛 かゆみはない事が多い
環境の変化・栄養失調・内部寄生虫・発情や妊娠、外科手術などの一過性のストレスによる免疫力低下がきっかけとなる事がある。

2)治療と予後

  • 殺ダニ剤の内服や外用を1-2ヵ月行う。
  • 過酸化ベンゾイルシャンプーで24時間ごとに洗浄する。
  • 軽いものであれば治療をしなくても自然に治る事もある。

 

2、全身性毛包虫症

1)特徴・症状

遺伝的になりやすい犬種がある 18か月以下の若い犬と免疫力の低下した高齢犬に多い
細菌の2次感染を起こしやすくかゆみや発熱リンパ節腫脹、潰瘍病変を伴う事がある
伝播様式など詳しい事のわかっていない新種のニキビダニによるものが報告されている
患犬の免疫力によってはニキビダニを完全に駆除することが難しく再発や生涯にわたる治療が必要になる事もある

2)治療と予後

  • 甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、糖尿病などの免疫力低下を引き起こす基礎疾患を治療する。
  • 発情や妊娠が引き金で悪化することがあるので避妊・去勢手術を行う。
  • 殺ダニ剤を1-2カ月にわたって投与する。
  • 細菌感染等を伴う場合は抗生剤の併用を行う。
  • 過酸化ベンゾイルシャンプーを週に2-3回行う。
  • 長毛の犬種では全身の毛を刈る。

 

殺ダニ剤の副作用について

イベルメクチン等の殺ダニ剤はまれに若齢犬等にに中枢神経系の異常を起こすことが知られています。
最少用量から初めて徐々に増量していきますが薬の飲ませ始めは元気が無くなったりふらふらすることがないかよく観察し、おかしい場合はすぐに獣医師にご相談下さい。

 

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