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病気のおはなし

犬と猫の異物誤飲のおはなし

犬と猫の異物誤飲のおはなし

ゴールデンレトリバーのナナちゃんは病院に来てもしっぽをぶんぶん振って愛想を振りまくとても明るい女の子でした。それが今日はいつもと違い元気がなくしょんぼりしています。飼い主さんの話だと2日前から突然食欲がなくなり、一日に2-3回吐いているとのこと。
「食べ過ぎておなかでも壊したのかしら…食欲がないなんてことはいままでなかったから…」と飼い主さんも心配そうな顔つきです。身体検査をするとお腹を触るのを嫌がるしぐさを見せました。「念のため詳しい検査をしてみましょう」と検査をしてみるとレントゲン検査で小腸領域に異常なガスのたまりがあります。消化管造影をすると胃の中から小腸へ内容物が全然流れていきません。

「何か変な物をたべませんでしたか?」「いいえ、気付かなかったけど・・・でも知らないうちに何か食べた可能性はあるかもしれないわ」
胃から小腸へ液体が流れない場合、異物や腫瘍などで通過障害が起きていたり、腸が捻転したり、腸の運動が止まってしまったりなど色々な原因が考えられます。今回は突然の食欲不振と通過障害が疑われたため試験的にお腹を開けて詳しく調べることになりました。
お腹を開けて、小腸を見てみると小腸の一部が明らかに膨らんで何かつまっています。切開して内容物を出してみると・・・水玉模様の靴下でした。運のいいことに腸の血行もよく無事に縫合してお腹を閉じました。

次の日のナナちゃんは昨日の元気のなさがウソのように元気いっぱいです。腸を切ったのでしばらくは食事療法が必要なのですが「ごはんちょうだい~」って声が聞こえてきそうなぐらいの回復ぶりです。
このように異物の誤飲は犬や猫で比較的よく聞く話ですがその多くは飼い主さんが注意していれば防ぐことができます。物によっては詰まるだけでなく中毒を起こすこともありますので、人間の赤ちゃんと同じように口にしそうなものは手の届く所に置かないことが大切です。

 

今までに経験した異物には次のようなものがあります。

  • イヌ:スポンジ、ゴムボール、犬用ガムの丸のみ、靴下、杏のタネ、手羽先の骨、ストッキング、タオル、薬のふたなど。
  • ネコ:ヒモのおもちゃ、スポンジ、ビニール、発泡スチロール、縫い糸、スーパーボール、毛玉など。
    ネコで多いひも状異物ですがこれは飲み込むと腸がギャザーのように寄ってしまい腸が死んでしまうことがあり大変危険です。

 

異物食いの癖のある子は特に注意し、いつも便と一緒に出てくるからとタカをくくらずに十分注意してあげてください。

 

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