停留精巣(陰睾)のおはなし
停留精巣とは正常なら生後1カ月前後までに降りてくる精巣が陰嚢に下降しないで、お腹の中や皮下に残ってしまう状態をいいます。片方だったり、両側性の事があります。
診断
触診などの身体検査で簡単にわかります。停留精巣は萎縮したり、逆に腫大することもあります。精巣が腫瘍の一種であるセルトリ細胞腫になった場合、ホルモンの影響からおっぱいが張ってきたり、陰茎の皮膚が萎縮してきたり、重度の貧血になって発見されることもあります。
停留精巣の問題点
停留精巣の一番の問題点は降りて来ない精巣が腫瘍化しやすいということです。一般的に正常な位置にある精巣に比べて皮下陰睾で3倍、腹腔内陰睾で9倍腫瘍化しやすいと言われています。また停留精巣は遺伝性ですので繁殖は控え、早期に去勢することをお勧めします。
治療
手術で両方の精巣を摘出します。その際に摘出した精巣が腫瘍化していないか病理検査することが大切です。
もし腫瘍化していた場合、摘出後に腫瘍による影響が出てくることがあるからです。