ワクチンアレルギーについて
「先生、去年混合ワクチンを打った後うちの子の顔がパンパンに腫れちゃったんです。
今年は打つかどうか迷ってるんだけど・・・」飼い主さんから心配そうな声で質問されました。病気から体を守るワクチンで具合が悪くなってしまうのですから飼い主さんの心配ももっともです。
ワクチンアレルギーとはワクチンの中に含まれる病原体やアジュバントなどに体の免疫が過剰に反応しアレルギー症状を起こしてしまう状態をいいます。早い子でワクチンを打って30分以内、遅い子でも24時間以内に出ることがほとんどです。
1.ワクチンアレルギーになりやすい状態
3か月以下の子犬・子猫 | 2回目以降のワクチン接種 | アレルギー体質 |
体調不良 | Mダックスやチワワなどの小型犬 | その他 |
2.ワクチンアレルギーの症状
軽度の場合: 元気がなくなったり熱っぽくなったりします。 |
中程度の場合: 顔がはれたりかゆみがでたりします。 蕁麻疹のようなぶつぶつが出ることもあります。 |
重度の場合: 血圧が下がりショック状態になり場合によっては命を落とすことがあります。 |
3.ワクチンアレルギーの治療
中程度以下の場合、アレルギーを抑える注射を打ち、症状が落ち着くまで(1-3日)内服を継続します。
重度の場合はショックを抑えるための緊急処置が必要になるため入院をすることがあります。
4.ワクチンアレルギーの対策
今までにワクチンアレルギーやその他の薬剤などでアレルギーを起こしたことがある場合、またアレルギー体質の子はワクチンを打つ30分前にアレルギーを抑える薬を注射してからワクチンを打つ場合があります。
またワクチンに入っている病原体の種類を減らすことで防げる場合もあります。また、重度のアレルギーを起こした経験がある場合はワクチンの接種自体を見合わせるのも一つの選択です。
しかし、人間の花粉症のように今まで大丈夫でも突然アレルギーを起こすこともありますので、ワクチンを打つ際は体調のよい日を選択し、午前中にワクチンを接種し体調に異常がないかしっかり観察するようにしましょう。またワクチン接種後2-3日は激しい運動やシャンプーなどを控えることが大切です。
アレルギーが疑われる場合は様子を見ないですぐに動物病院にご連絡ください。