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病気のおはなし

白内障のおはなし

白内障と聞くと年を取った子に多いイメージがありますが、実際は色々な原因で若いうちにも発症することがあります。老齢性変化に伴う核硬化症(水晶体の中心部が加齢とともに硬くなって濁ってくる状態)は治療の必要はありませんがそれ以外の白内障は治療が必要になる場合があります。

1、白内障の原因による分類

・遺伝性白内障:先天性もしくは5歳以下ぐらいまでに発症する白内障。それぞれの犬種ごとに特徴的がある。

コッカースパニエル:6ヵ月齢ぐらいから発症し進行性であり早い段階で真っ白になる。
プードル(アプリコット):2歳前後で進行性に発症し早い段階で真っ白になる。
G・レトリバー:6ヵ月齢位から水晶体の後嚢で発症し、非進行性である。
ビーグル、キャバリア:先天性で進行性に発症し、早い段階で真っ白になる。

  • 糖尿病性白内障:眼の中に糖が多くなると水晶体が浮腫を起こして膨化する。放っておくとぶどう膜炎を起こしたり、水晶体が破裂することがあるので血糖のコントロールの他に早期の手術が推奨される。
  • 続発性白内障:様々な疾患に伴って起こる白内障のこと。
  • 進行性網膜萎縮:ダックスやプードル(グレー、ブラック)に多く2歳から6歳の間に多く発症する。網膜が変性する事によって水晶体の後皮質が中毒性かつ進行性に白濁してくる。
    白内障に続発するぶどう膜炎のコントロールが必要になる。
  • 瞳孔膜遺残:先天性に瞳孔膜が残ってしまいそれが水晶体に癒着すると前嚢部に白内障が発生する事がある。視力には影響が無い事が多い。バセンジー、コーギーなどに多い。
    ぶどう膜炎・外傷:眼内の炎症に伴い水晶体の前嚢から白濁が始まり全体に広がっていく事がある。
  • 老齢性白内障:犬では6歳以上、猫では7歳以上で顕著に表れる。核硬化が原因で必ず両側性に左右対称に起こる。透明性があり散瞳処置をして核硬化症を確認した場合は治療の必要はない。

2、白内障の治療

手術:白内障を放置すると水晶体のタンパクが溶け水晶体の体積が減ってしまう。そうすると網膜が前方に引っ張られ網膜剥離を起こし失明することがある。それを防ぐには手術を行うことが推奨される。

ぶどう膜炎のコントロール:白内障の初期段階からぶどう膜炎が起こり始める。ぶどう膜炎が継続すると眼房水の排出口に薄い膜ができ排出が困難になるため緑内障が起きやすくなる。そのため手術をしない場合は生涯にわたって目薬による消炎治療を行うことが望ましい。

白内障は老齢動物にかかわらず様々な原因で起こります。
ペットの目の濁りに気が付いたらお早めにご相談下さい。

 

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