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病気のおはなし

ホルネル症候群のおはなし

「先生、うちの子の瞬膜が出っぱなしで戻らなくなっちゃったんです。」雑種猫のミーちゃんの飼い主さんが心配そうな顔でやってきました。よくみると片目の瞬膜が戻らなくなって瞳孔の大きさが反対の目より小さくなっています。ミーちゃんの症状からするとホルネル症候群という病態が疑われます。

1、ホルネル症候群とは

眼とその周りのまぶたなどを支配している交感神経が麻痺する事によって起こる病態です。通常は片目だけなる事が多く重症度によって症状も様々です。特徴的な症状に以下の4つがあげられます。

瞬膜の突出 縮瞳(瞳が小さくなる) まぶたが垂れ下がる 眼球が落ちくぼんだ状態になる

2、ホルネル症候群の原因

様々な原因により何処かしらの交感神経経路が遮断される事によって発生します。交感神経経路は大きく分けて以下の3つにわかれておりどの部位で遮断されるかで出てくる症状が異なります。検査を行っても原因が特定できない事もしばしばあります。

  • 脳から脊髄にかけて:
    腫瘍や脳脊髄炎などに伴って発症することがあります。
    ホルネル症候群以外の神経症状が出る事が多くなります。
  • 脊髄から頭頸部の神経節にかけて:
    神経周辺の腫瘍や首に対する傷害(チョークチェーン、交通事故など)に伴って発症します。
  • 頭頸部の神経節から眼窩まで:
    中耳炎やその他の原因で発症します。

 

3、ホルネル症候群の診断

・身体検査:
外耳炎や首の痛み、歩行異常などの有無を確認します。
・神経学的検査:
病変の位置を確定するためにホルネル症候群以外の神経症状がないか検査します。
・精密検査:
血液検査やレントゲン、エコー検査などで腫瘍やその他の疾患の有無を検査します。
・薬物検査:
検査用点眼薬を使用し患眼の散瞳時間によって病変の大まかな位置を特定します。
・MRI検査:
ホルネル症候群以外の神経症状があったり、その他の症状の進行が見られる場合はさらに詳しい神経検査が必要になります。

 

4、ホルネル症候群の治療

原因が特定すればそれらの治療を行います。原因不明の場合は経過観察を行いますが数カ月で自然に治る事もあります。

 

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