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病気のおはなし

胃捻転―胃拡張症候群(GDV)のおはなし

胃捻転―胃拡張症候群(GDV)とは大型犬に多く、急性に胃が拡張、捻転してしまう病気です。この疾患に陥った場合は治療を実施しても死亡率がかなり高く、その程度によって15-68%の死亡率と言われています。

 

1、GDVの原因

急激な多食・多飲 食事直後の激しい運動 興奮時の空気の飲み込み

2、GDVの病態

何らかの原因により急激に胃の拡張、下垂、捻転が起こると胃に分布する血管の血行が悪くなり心臓にもどる血液量が減少します。またそれと同時に胃の入口と出口がねじれて塞がるため胃の中に空気や液体がたまりはじめ胃がどんどん拡張します。その結果、循環障害による不整脈、血圧低下や敗血症などによるショック症状、胃やその周囲臓器の壊死などが起こり死に至ります。

胃捻転―胃拡張症候群(GDV)

3、GDVの診断

その時のペットの状態により検査する項目や手順は変わります。

  • X線診断:胃の拡張や捻転を調べます。
  • 血液検査:内臓機能や電解質異常、DIC(血液凝固異常)の有無などを調べます。
  • 心電図検査:不整脈が出ていないか調べます。

 

4、GDVの治療

その時のペットの症状に応じて治療法は変化します。
基本的には血管を確保し各種検査や投薬を行いながら捻転の整復やガス抜きを行います。多くの場合は手術を行い胃捻転を整復します。また脾臓やその他の周辺臓器の血行不良、壊死が認められる場合はそれら臓器の摘出が必要になる場合もあります。しかし発見に時間がかかり不整脈が出ていたり、臓器の壊死があるなど状態が悪い場合は麻酔の危険も高く手術を行っても死亡する確率が高いのが現状です。

5、GDVの予防

GDVは大型犬に多いため大型犬を飼っている方は常にこの病気を頭の隅に置き以下の事に注意をしましょう。
1)ドカ食いドカ飲みをさせないよう餌や水は小分けに与える。
2)食事や飲水後は安静を心がける。
3)パンティングが長く続くと空気を大量に飲み込みやすくなるため気温が高い場所や異常な興奮は控える。

お腹が膨れる、急に何度も吐く、苦しそうに唸っている場合は様子を見ないですぐに動物病院に連絡しましょう。

 

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