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病気のおはなし

副腎皮質機能低下症(アジソン病)のおはなし

副腎皮質機能低下症(アジソン病)

副腎皮質機能低下症(アジソン病)

アジソン病は副腎皮質という内分泌器官から分泌されるステロイドホルモンが不足することによって起こる病気です。自己免疫性、感染症などの様々な原因で副腎皮質が破壊され、副腎皮質の球状帯から分泌されるミネラルコルチコイド、束状帯から分泌されるグルココルチコイドの不足により多様な症状が現れます。症状はゆっくり進行することが多く、元気がない、下痢が多い、震えるなどのあいまいな症状から、突然虚脱やショックなどの重篤な症状を起こすこともあります(アジソンクリーゼ)。

 

1、アジソン病の特徴

犬に多く猫に少ない 若齢~中年齢のメスに多い(平均4才齢)
初期には副腎の予備能力があるため旅行、トリミング、
手術などのストレス下で症状が出ることが多い。
副腎の破壊が進行した症例では突然ショック症状を起こし緊急処置が必要になることもある。

2、アジソン病の症状

元気・食欲の低下 下痢・嘔吐・血便 体重減少・虚弱 震え・痙攣
多飲多尿 低体温 除脈 腹痛など

3、アジソン病の診断

・一般血液検査:
高カリウム血症、低ナトリウム・クロール血症などの電解質異常が多く認められます。
また低血圧や循環血液量の減少があると腎不全を併発することもあります
(尿比重でアジソンクリーゼと腎不全を鑑別します)。また糖尿病や重度の消化器異常などでも電解質異常が見られることがあるのでそれらを鑑別する検査も行います。
・ACTH刺激試験:
この試験でアジソン病の確定診断を行います。
・その他:
レントゲンやエコー検査などで循環血液量の低下を後大静脈の太さで確認したり、巨大食道、副腎の萎縮、その他疾患との鑑別を行います。

 

4、アジソン病の治療

アジソン病が確定されたらミネラルコルチコイドとグルココルチコイドの投与を行います。多くの場合はミネラルコルチコイドの投与のみでコントロールできますが両方の投与が必要なものやグルココルチコイドのみの投与が必要なものもあります。またアジソンクリーゼの場合は致死的な場合がありますので入院して緊急処置が必要になります。また内服で安定していても過度なストレス(旅行・トリミング・ペットホテル・手術など)でアジソンクリーゼを起こすこともありますので日常生活ではストレスを避けた生活が推奨されます。

 

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