糖尿病のおはなし
ヒトも動物も生活環境が豊かになり、ついつい食べ過ぎてしまう傾向にあります。それに伴ってペットも糖尿病をはじめとする生活習慣病が増えてくるようになりました。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの作用不足に基づく全身性の代謝疾患です。合併症には重篤な症状をおこす病気が多く生涯にわたって治療を続けなくてはならないことが多いため日々の生活に注意が必要です。
糖尿病の主な原因
肥満 | 遺伝的素因 | 膵炎 | 感染 | 高脂血症 |
薬剤の副作用 | 副腎や甲状腺などの内分泌疾患 | 腫瘍 | 妊娠 |
糖尿病の症状
水をたくさん飲むようになった | 尿の回数が多く大量にするようになった |
たくさん食べているのに痩せてきた | 目が白く濁ってきた |
進行した場合、食欲低下、嘔吐、脱水症状、昏睡などの症状をおこす |
糖尿病のしくみ
食後、消化吸収され血液中に入ったブドウ糖(血糖)は膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンの手助けによって細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。
インスリンは細胞のドアを開ける鍵の役割を持ち、血液中のブドウ糖の細胞への取り込みを手助けします。ブドウ糖が細胞内に取り込まれると血液中の血糖も低くなり血糖値が下がります。
糖尿病は膵臓からのインスリン分泌が不足したりインスリンに対する体の反応が鈍ることで血糖が細胞で利用されず血糖値の高い状態が続く代謝異常です。
糖尿病の症状
血液検査 | 血糖値以外にも腎臓や肝臓、脂質検査、電解質、フルクトサミンの検査など総合的な診断を行います。場合によっては副腎や甲状腺ホルモンの検査も行います。 |
尿検査 | 尿糖、ケトン体、感染の有無などを調べます。 |
レントゲン・エコー検査 | 膵臓やその他の内臓に異常がないかを調べます。 |
糖尿病の治療
症状に応じてインスリンによる血糖値の調節、入院点滴による脱水の改善を行います。症状が安定するまで数週間かかる場合もあります。症状が安定した後は食事療法とインスリンの注射を毎日行うことになります。
定期的に病院で血糖値や尿糖の測定を行い、多くの場合一生涯にわたって治療が必要になります。
不明な点は獣医師にご連絡ください。